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NHKスペシャル「追跡 パナマ文書」の内容が酷すぎる

NHK放送センター(出典:Wikimedia Commons)

スッカラカンの内容、苫米地英人さん一人に完敗

公共放送の意義をあれだけ声高に叫ぶNHKですから、本当に期待していました。夜更かしして明日の仕事に影響するのを度外視し、前もって約束をして友人の家で鑑賞していましたが、がっかりでした。全くもってスッカラカンの内容でした。この内容で、受信料を下さいと言うならば恥知らずにも程があるのではないでしょうか。

副題として、「衝撃の日本人700人」と名付けられているもかかわらず、出てきた実名は『キャンディ・キャンディ』作者の「いがらしゆみこ」さんと収監間際のAIJ投資顧問元代表の「浅川和彦」さんの2名だけでした。「いがらしゆみこ」さんはどちらかというと被害者のスタンスで番組が作られていましたので、実質的には「浅川和彦」さんただ一人が番組の中公表された実名となります。この番組の事実上の番宣となった当日のNHKニュースで公表された実名が、詐欺の罪(執行猶予)に服している小室哲哉さんですから、浅川さん同様落ちた犬には非常に厳しく報道できるようです。これが公共放送を謳うNHKのジャーナリズムの実態なのでしょうか?。続編に期待しますが、これで終わるようなら、数ヶ月前にMXテレビパナマ文書の実名会社に言及した苫米地英人さん一人相手に完敗です。

2016年5月12日パナマ文書に楽天.JAL.電通.東電らの企業を暴露!Dr苫米地英人氏の独自スクープ!バラいろダンディ木曜日.橋本マナミ,前園真聖,梅沢富美男,長谷川豊 - YouTube

Nスぺの内容

番組の内容を簡単にまとめます。

  • AIJの浅川和彦さんはあやしい。
  • 個人情報が盗難、一般企業の漏洩によって流出してしまうことによって、いつの間にかペーパーカンパニーの代表となり、パナマ文書に名前が載っている全く無実の人がいる。
  • NHKは今もパナマ文書を追いかけている。

これだけです。

番組の最後ほうで、ペーパーカンパニーを作った法律事務所(モサック・フォンセカ)が「私たちは仲介会社の依頼を受けてやっただけ」、仲介会社は「日本の投資会社から紹介された案件で私たちは仲介しただけ」と責任転嫁のバトンリレーが始まり、おっと思いましたが、肝心の日本の投資会社はどこなのかという点が全く解明されず、エンディングが近づくにつれ、もしや、これで終わってしまうのかという失望感徐々に込み上げてくる中で、やはり番組がフェードアウトしていきました。内容がないなら、せめてNHK自身が租税回避したと噂されるNHKグローバルインクの検証だけでも行えば大分印象は変わったのに残念でなりません。SNSでは、税金を納めて貰わなければ国家が成り立たないという租税国家の観点から、租税回避をした企業や個人への批判を単なる個人情報流出の問題にすり替えているとの批判も上がっています。

報道の良しあしは製作費にあらず、能力と覚悟

今回のNHKスペシャルの意義を無理くり挙げるならば、全く無実の人がパナマ文書に実名として上がっていることを具体的な事実をもって示したということくらいでしょうか。まあ、ジャーナリズム良し悪しは、決して製作費ではなく、報道に関わる人間の能力と会社の覚悟によって決まるということが皆に分かったということこそが、今回のパナマ文書に関するNHKスペシャルの本当の意義だったのかもしれませんが・・・。

裏が取れているなら、700人の実名公表を

パナマ文書についてある程度の関心があり、ニュースを拾ってきた人たちにとって、今回の内容は何一つ真新しさはありませんでした。インターネットで過去に聞き及んだ情報のほうに比べ、番組で得られる情報は完全に見劣りしています。NHKは今回の独自取材によりパナマ文書に700名以上の日本人がいることの裏が取れているならば、積極的に実名を公表するべきです。実名こそが日本人が知りたい情報なのです。公益の観点から情報の出し渋りをしているのなら、それはお門違いです。メディアに対して報道の自由の名の下に様々な特権が与えられているのは、国民の知る権利に奉仕しているという前提があるからなのです。ましてや受信料を視聴者から聴取しているNHKはなおさらのことです。報道の自由を抑制するのは裁判所の仕事です。メディアが自身で得た情報はよほどのことがない限り、自主規制をするべきではありません。ファクトはファクトとして生のまま国民の手に委ね、それを前提に国民全体で議論し、民主主義国家は政治決定をしていきます。今回の場合、不正に名前を利用された人もいると注意喚起をした上で実名を報道するのに何を躊躇う必要があるのでしょうか。弱小メディアならいざ知らず、資産規模1兆円、6000億円を超える予算(海上保安庁の約3倍)をもつNHKなら訴訟が仮に起きてもビクともしないでしょう。

メディアが報道しない自由を行使し、一般人と乖離している状況はアメリカ大統領選挙の報道姿勢から一般国民に明らかとなりました。職業に対するプライドを持つのはいいのですが、それが単なる鼻持ちならない特権階級意識、メディア自身が情報の出し入れをコントロールするという奢りに国民は厳しい目を注ぎ始めています。もう、メディア自身が情報の良し悪しを斟酌し、編集して伝えるという時代は終わっています。

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