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たばこと塩の博物館に行ってみる。受動喫煙防止法、国会提出の前に。

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先日、「たばこと塩の博物館」に行ってきました。国家が自由で多様な個人の生活を保護するのではなく、人殺しだというような極端な主張を本気で受け入れ、政府機関、医療機関も追随、十把一絡げにして一律に排除、規制するというような動きが進展しています。受動喫煙防止の法案が国会に提出され、法の国会審議が、森友学園問題の長期化によって何とも微妙な情勢となっておりますが、たばこについて、もう少し勉強し、冷静に考えてみようと思い足を運びました。

渋谷から移転していた「たばこと塩の博物館

かつて、「たばこと塩の博物館」は渋谷の公園通り沿いにありました。学生時代の記憶を頼りに、公園通りをNHK方面に歩いて行ったのですが、かつてあったはずの「たばこと塩の博物館」は消えていました。スマートフォンで調べると、現在は墨田区の横川に移転していることがわかりました。最寄駅はなんと「押上」や「とうきょうスカイツリー駅」です。たばこについて色々とうるさい人が多いので、都落ちしたのかなあ。ここまで来て引き返すのも何なので、渋谷に戻り、半蔵門線に乗り換えていざ押上へ。

いざ、「たばこと塩の博物館」へ

押上に到着すると、休日もあってかとうきょうスカイツリー目当ての観光客であふれていました。ただ、スカイツリーの周辺はどうかというと、何があるというわけでもなく、隅田川の支流沿いにセピア色の下町が延々と続いているだけです。駅を出て10分くらい歩くと、「たばこと塩の博物館」に到着します。

JTの倉庫跡地の上に建てられた機能性を想起するシンプルな外観の建物にずんずんと入っていきました。入館者はまばらで、比較的じっくりと展示物を鑑賞することができました。

携帯電話グッズの発展を想起する小物類の道具文化

たばこの展示に限って言うと、展示物はキセル、パイプとか、たばこ入れとかこじんまりとした小道具類が小綺麗に整列されていました。こうした道具類をみると、のちに多様な発展をみせた携帯電話周辺のグッズ(ケースその他)は日本の歴史的な工芸文化を土台としに発展、普及していった(予定されていた)のだなあということを認識させられました。最近、職場において私自身がとかく統計数理なマーケティングばかりにはまり込んでいますが、こうした歴史を教養として押さえておくことも企業の事業予測をする上で非常に大切なのだなあと感じました。

江戸時代のたばこ禁令に関する示唆的なまとめ

非常に示唆的で、まさに禁酒法にも似た歴史の教訓が詰まった江戸時代のたばこ禁令についてまとめた展示物のプレートがありましたので、ご紹介いたします。

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幕府は禁煙の流行を背景に、たばこに関する禁令を繰り返し出した。初期の禁令は、喫煙やたばこ売買に対する禁止であったが、後になると、耕作の禁止、耕作の制限、そして耕作地削減令へと変化し、喫煙自体を黙認するようになった。たばこは禁令下にもかかわらず日本中に広まり、逆に禁令の方が緩んでいったのである。

前回の東京オリンピック(1964年)を支えた寄付金付きタバコ

これは、受動喫煙防止法の議論の前に、絶対に知っておく必要がある事実でした。それは前回の東京オリンピックをたばこの寄付金が支えたという事実です。現在のメディアからほとんど伝えられていません。喫煙習慣のない人や前回の東京オリンピックを知らない国民の完全な盲点です。寄付金付きたばこの画像のあるサイトおよび制定された法律(オリンピック東京大会の準備等に必要な資金に充てるための寄附金付き製造たばこの販売に関する法律)を紹介しておきます。

www.jiji.com

法律第二十七号(昭三八・三・二五)

この事実を踏まえると、状況が変わると手のひら返しをして、前回のオリンピック開催に貢献をしたJT日本たばこ産業)や喫煙者たちをオリンピックから追放するということへの非道徳性が浮き彫りになってきます。

非喫煙者がもっとたばこについて理解しないと

何しろ私はたばこを吸ったことも、吸おうと思ったこもなく、喫煙者が文化だという主張についてもこれまで全くピンと来ていませんでした。ただ、受動喫煙禁止を巡ってはあやふやな統計をもとに極端な主張(「殺した」とか、複合的な死因をたばこの害に限定する)が政府や国際機関からなされ、あまり関心のない多数の非喫煙者の消極的支持を背景にマイノリティ(喫煙者)のライフスタイルや嗜好に制限を加える危険な匂いを私は感じていました。それは、戦争法案と批判された周辺事態法案や今議論されている共謀罪などよりもはるかに嫌な感じです。

たばこを吸わない人は、考えを固める前に、もう少し喫煙者を理解する必要があります。タバコを吸わない人はタバコに関して知識が圧倒的に不足しています。もっと言えば、判断に足るだけの知識が全くないといっても過言ではありません。

非喫煙者は、スカイツリーの見学の後に、「たばこと塩の博物館」に足を運んでみていかがでしょうか。様々な新しい発見ができます。ちなみに「たばこと塩の博物館」の墨田区への移転は、都落ちによるもではなく、収集資料の増大によって展示スペースや資料の保管場所が足りなくなったことが本当の理由です。