Nikkei225オプション日記

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ボールは黒田総裁に預けられた。日経平均の命運は、本日6月16日の日銀金融政策決定会合次第に

Haruhiko Kuroda at ADB Philippines (crop)
黒田東彦日銀総裁 出典:Wikimedia Commons)

様々な思惑、鉄火場と化した日本マーケット

昨日6月15日に、FOMCの会合が開かれ、事前の予想通りFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)は、政策金利FF金利を0.25%上げる利上げを決定しました。為替相場は、円安に振れるのかなあと思いましたが、日経平均は、イベントの無事通過の安心感もあり、朝方一時19930円まで買われ、20000円突破かと思われましたが、戻り売りに押され、明日の日銀金融政策決定会合を控え、疑心暗鬼の中一気に上昇を打ち消し、結局3日続落となりました。ここ数日の日経平均は、ちょっと目を離した隙に一気に売られて値を崩したり、いきなり棒上げして値を戻したりと何とも忙しい鉄火場の様相を見せています。イギリスでビルの火災が起きるとテロだと大騒ぎし、NASDAQが落ちるとITバブル崩壊だとか、まあ心理戦が激しくなっています。慌てず、自分の投資スタイルを貫けるかが重要な局面です。まあ、結局のところ、売り買い拮抗して明日の日銀金融政策決定会合へとバトンが渡されたというのがここ数日のアバウトな相場の見方なのでしょうか。 

黒田総裁は、大規模緩和とまではいかなくとも、マーケットの心象を明るくする小気味良い政策を打ち出せるのでしょうか。日経平均の命運はその一点に託された形となったように思われます。

 今、金融緩和策を打ち出せば効果数倍の絶好機

アメリカが利上げを局面の現在は、日本の金融緩和に絶好の機会です。仮に規模が小さくともアメリカの利上げがそれを増幅してくれます。市場参加者のマインドに対してはさらに効果的だと思います。年間のインフレ率を2%以上にすることが目標となっている日銀にとって、この機会を利用するのがオーソドックスな考え方でしょう。ここ数回の日銀金融政策決定会合の市場の評価は、肯定とも否定とも取れる微妙なものでした。日銀の打つ手が狭まっているというような見解も多くありました。全てはその時点の市場環境という問題が政策担当者の前には横たわっています。ただ、今日時点の経済情勢をみると、まさに今日という日を待っていたかのような感じです。

安部首相は、先日、悲願である憲法改正を現実の政治スケジュールに組み込む発言をしました。憲法改正には、経済情勢の後押しが、国民の憲法理解よりもはるかに効果的です。当然、アベノミクスの再点火を確実なものにする政策圧力を日銀にかけていく可能性が高まっています。日銀審議委員に片岡剛士さんを推薦しているのも、日経平均20,000円以上を安定的に推移させる戦略の一環の動きでしょう。フランスの大統領選挙結果から、EU諸国は緊縮気味、アメリカは利上げ局面です。日本にとっては、本当にチャンスです。

日銀にボールは投げられた。

昨日のアメリカ利上げの後、新興諸国マーケットは、資金流出懸念から下落しました。まさにオーソドックスな動きです。為替も今日の朝起きてみるとやはり円安に触れており、教科書通りと言えましょう。さあ、日銀にボールは投げられました。大相場になるか、はたまた失望となるか、株式市場の転換点です。