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トルコクーデター、ひとまず収束。IPhone のFaceTime がポイント

懸念のトルコ情勢ですが、ひとまず収束に向かいそうです。週末に1ドル104円台後半に突入した為替相場も、現在は1ドル105円60銭付近で推移しています。

今回のクーデター収束の大きなターニングポイントとして、放送局を占拠されてしまったエルドアン大統領がiPhoneFaceTimeで国民にクーデター阻止を呼びかけたことがあります。http://www.aljazeera.com/news/2016/07/erdogan-resorts-iphone-facetime-coup-attempt-160715233749172.html
クーデターの成否を決定づけるものとして、非常時下の情報の制圧があります。従来はテレビ局を抑えれば、ほぼ情報を支配することができ、クーデターを成功に導くことができました。しかしながら、今回の事例によって、点在する移動通信基地を遮断しない限り、情報を支配下に置くことができないとことが実証されたのです。
エルドアン大統領は、IPhoneFaceTime から国民に対し、街道に出てヒトの鎖を作り、クーデターの首都への侵入を防げと呼びかけました。それによって、戦車に巻き込まれ多数の犠牲者が出たものの、戦車を操る軍人の意気を阻喪し、クーデター側との心理戦に勝利しました。
無論、これだけで今後のトルコ情勢が安定することにはなりません。既に報じられている通り、エルドアンは司法の判事約3000人を解任し、死刑制度を復活させ、クーデター側の関係者を軍事法定で裁く動きを見せています。この動きが深刻化するようであれば、人権問題などをテコにして、表立ったアメリカの介入があるかもしれません。何れにしても、プレーヤーが多すぎます。ロシア、フランス、イギリス、ドイツ、イスラエル、イラン、アメリカ等がその時のその事情で、チームの組み替えを行っています。混沌が混沌をよんでいます。不確かな情報ですが、昨日の時点でトルコの隣国アルメニアでクーデターが発生したとのニュースが飛び込んできました。
日経平均についてですが、しばらくの間国際情勢の動き次第でいきなりの下落があることは頭に入れておいてください。目下、官邸サイドからはアナウンス効果を狙ってか、ヘリコプターマネー政策を想起されるような動きが見られます。市場関係者の思惑による上昇圧力もあり、何もなければジリジリ上がっていく雰囲気です。
ただし、それも月後半の日銀政策決定会合前までです。都知事選挙の不安もあり、月末少し前には調整していくと予想しています。