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アルバイトを搾取する下流喰い。しゃぶしゃぶ温野菜のブラックバイト凄すぎ。

だいぶ前の事件ですが、最近になってネットで知りました。詳細は次の記事が詳しいので参考にしてください。記事に埋め込んである動画の音声は生々しいです。

「しゃぶしゃぶ温野菜」で大学生刺傷事件 なぜブラックバイトは暴力的になるのか(今野晴貴) - 個人 - Yahoo!ニュース

飲食業界のヤバさは昔からなのですが、社員ではなく、アルバイトが虐めや搾取の対象になってしまったのは最近のことなのではないでしょうか。腰掛けのアルバイトを搾取して社員が儲けるのは何とも違和感があります。須田慎一郎さんの著作に「下流喰い」というタイトルの本のがあるのですが、このタイトルにぴったりの事件です。飲食業界は「下流喰い」が常態化しているのではないかという疑問があります。

勿論、POSSEという政治色の強い団体の代表の記事なので、多少割り引く必要はあります。ただ、今回の被害者のように人の好い、弱そうな人って周りにもよく見かけませんか?。こうした人を精神的に攻め、意味抵抗力をなくさせて搾取する人間、それをある種認めているような企業体質には嫌悪感を超えて怒りを覚えます。

勿論、どんなビジネスでも売り上げを立てねば生き残ることはできず、低迷した電機メーカーがボーナスの代わりに自社製品の現物支給をしたり、生損保職員のの自爆営業といったことはよく聞きます。しかしながら、対象がアルバイトにまでおよんでいるのは飲食業界だけではないでしょうか。労働基準監督署は、労働環境や労働条件が適正化するまで、この業界に徹底的にガザ入れを行う必要があります。それで成り立たないビジネスなら、退場していただきましょう。こんな業界のGDPなど無視して構いません。

今回の問題では、私自身2つの点で考えさせられました。

  1. フランチャイズというビジネスのうさん臭さ。
  2. ランニングコスト(特に賃料)を無視した飲食業界特有のの強気の出店攻勢。

まず、フランチャイズのうさん臭さについてですが、構造を単純化すると、この形態は派遣労働や請負契約の構造とよく似ています。外部から見るとその店舗が直営店なのか、フランチャイズなのかはほとんどわかりません。よって、そのブランドによる品質を信じて人々はサービスや物品を購入します。しかしながら、実際はブランドとは別の企業がサービスを提供します。ブランド使用を提供したフランチャイザーは、加盟店から高額な加盟料を受け取ります。一方で何か問題が起きた場合には、多少動きますが、道義的責任は加盟店の問題であり、フランチャイザーの問題ではないというトカゲの尻尾切りを行います。現代社会の分業が高度化しているのはよくわかりますが、キツネにつまされたようで腑に落ちないのは私だけではないはずです。傾いたマンション問題や姉歯問題と同じようパターンです。分業の高度化というより、分業によるコストカットと責任の分散といったほうが良いかもしれません。

 次に、飲食業界の強気の出店攻勢ですが、かつて不動産会社に勤めていた経験からすると、飲食業界の方々は、賃料と収益のバランスについての知見が足りない様に思えました。飲食向けの場所のいい居抜き店舗は出店希望者が多く、賃料が割高になります。そればかりか、最近ではさらなる高騰を見込んで、飲食店舗経営をしないにもかかわらず、一旦物件を抑えてしまい、それをサブリース(又貸し)や権利金のようなもので稼ぐようなビジネスも生まれています。そういう状況ですから、自己所有でない賃貸で飲食店を経営するのは、余程うまく立ち回らないと黒字にできません。食べ物ですから確かに多少キャッシュが入ってきますし、最初のうちは開店セールや一回行ってみるかという一見さんが来て賑わい、成功の幻想が店全体を支配します。しかしながら、大抵の場合、それは長く続かず、通常モードに入るのに従って賃料が重くのしかかってきます。やがては、店長や従業員の自爆営業で凌ぐ。そして、悪い奴らは、人のいいアルバイトにまで自爆営業を迫っていく、こんな流れなのでしょう。

飲食店のアルバイトは、まかない飯がついてくるのでメリットがあると考え、安易にアルバイトしようという人が多いです。困ったことに、地方の出身の性格のいい人間が入っていきがちな印象を持ちます。しかしながら、この業界はピンキリです。行政もそれをわかっているのに、何故無視を決め込むのか。労働基準監督署の罪は重いと言わざるを得ません。下流喰いは現在も進行中です。

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