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たかが祭りのために民主主義を破壊するのか。東京大規模停電と山東昭子

先日10月12日の水曜日、都内で大規模な停電が発生しました。私は2ちゃんねるのニュース速報で知りましたが、勤務先の品川区では特に問題はありませんでした。オフィスビルの自家発電で対応したのかどうかは定かではありません。原因は埼玉県新座市の送電ケーブル火災で、霞が関の官庁でも停電が起こったそうです。15時30分頃から菅官房長官の安全宣言がされた15時48分までの15分強の間、約35万世帯に影響がありました。

「永田町・霞が関周辺で電気の供給が不安定」菅官房長官:朝日新聞デジタル

原因は、地下に埋められた送電ケーブルの経年劣化の可能性について指摘する声が大きいようです。よく話題になりますが、高度経済成長期に作られたこうしたインフラ設備の経年劣化による事故が都市リスクの大きな部分を占めるようになってきています。電力設備、送電設備のの保守、補修の適正な支出が、現在の東京電力できちんと行われるのかという漠然とした不安が国民にはあります。個人的には早急に東北電力中部電力等との合併や国有化などによって安全への不安を解消してほしいと思います。

山東昭子さんの発言、やはり朝日新聞に大きく取り上げられる

さて、今回の事故を受けて、自民党参議院議員山東昭子さんが、左翼メディアの情報操作の餌食になるのようなコメントを出して、やはり朝日新聞に報道されました。

www.asahi.com

山東さんは、テロ対策、防災上の観点から出していい情報と出してはいけない情報があるのではという問題提起をしたというのが趣旨だと思いますが、タイトルだけを見て中身をきちんと読まなかったりすると、自民党の政治家は情報開示を軽視して、情報を隠すような考え方に与しているのだな、由らしむべし知らしむべからずの為政者の体質が抜けきっていないのだなと印象操作を受けてしまいます。この辺りは冷静に、頭を冷やして記事は最後まで読むべきです。私自身も引っかかりそうになりました。

それでもなお、山東昭子さんの考えには反対

ただ、私はそれでもなお、山東昭子さんの考え方には反対の立場です。国家機能が麻痺する可能性のあるような大規模停電は、なぜ起こってしまったのか。今後どのような対策をしなければならないか。変電所の場所や数は適切なのか。官庁にはきちんと停電後、自家発電に切り替えるバックアップシステムをきちんと備えているのか。そうした対応をきちんと政府は行っているのか。そうしたことを議員ともに考え、政策の後押しをしていくのが代議制の民主主義であると考えるからです。また、こうした国民が考えたり、監視したりするコストを割かないと、東京電力福島原子力発電所の事故のように安全神話が跋扈し、現場は緊張感を欠いて堕落し、地域コミュニティーを破壊し、国家財政を圧迫するような事態が起こってしまうからです。

情報公開はやはり民主主義、国民主権の根幹をなしており、これは絶対に死守しなければなりません。オリンピックのテロ対策のために、災害事故の情報公開をやめるというならオリンピックなど開かないでいただきたいと思います。

たかが祭りのために民主主義を破壊するのか

オリンピックの本質は祭りです。たかが祭りのために民主主義を破壊するような論理を展開することは非常に危険な言説です。ポピュリズムの最たるものだと私は思います。情報を適切に公開し、都市の弱点も国民と共有し、かつテロの脅威に備えることが必要です。また、可能であると思います。そして、それができないと思うのなら、オリンピックを開かないという選択肢を国民に示し、説得するのが良識の府たる参議院議員の責務ではないでしょうか。

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