Nikkei225オプション日記

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ネット企業成長の限界。Google、Amazonリアルビジネスに絶賛参入中

検索エンジンを事業の柱に、巨大情報産業を目論むGoogle、ネット通販から流通革命を起こしたamazon、両者とも最近ネットからリアルビジネスへと触手を伸ばしつつあります。市場関係者から一般人に至るまであたかも巨大な利益をもたらすビジネスのように思えたインターネット産業は、M&Aが一段落した後は考えていたほど高い成長と利益をもたらすことができず、株主からの突き上げに悩んでいるのではないかと思います。Googleの収益構造は創業以来ほとんど変化せず、未だに売り上げの約90%が検索エンジンの広告収入で占められ、ROE(資本収益率)は考えるほど高くありません。amazonは長い間赤字で、最近になってようやく黒字化したものの収益性は低いままです。

自らリスクをとって参入するアメリカIT企業

それでもさすがは一時代を築いた企業で、外注といった手法をあまり取らず、リスクを取って周辺ビジネスに自ら参入し、自らの収益構造を変えていこうという姿はベンチャーの心意気を感じます。GoogleはNexusのような提携型ではないに独自ブランドのスマートフォンPixelの発売を発表し、amazonは物流拠点を自ら作らんとコンビニビジネスへと参入するニュースが飛び込んできました。

japanese.engadget.com

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自ら参入こそ人材育成の近道

外注化はベンチャーの死を意味します。ベンチャー企業の価値は特に働いている人で決まります。自分でやらなきゃ人は成長しません。決して経験を得られません。自分で考えて、やってみて、反省して次に生かす。その積み重なった経験からくる予測、直感、効率的なアプローチとこそが企業の最大のリソースである有能な人材ということなのでしょう。自社でそうした有能な人材を育てるには、ビジネスの内製化が近道であることは言うまでもありません。

日本のIoTに垣間見えるもの

さて、日本の広告から標語のように繰り返されるIoT(Internet of things)という言葉や「○○ × IT」といったロゴのようなものは私から見ると、リアルビジネスと提携したり、買収しないと今後立ち行かなくなるIT企業が、企業再編の主導権を握ろうと政治を巻き込んで無理くり仕掛けた戦略のように思われます。ITに情弱なオールドビジネスの経営者をちょっと騙して提携したり、あわよくば株価の高いうちに傘下に入れてしまおうということなのかなあとTwitter株の暴落、買収騒動をみると疑ってしまいます。

日本のIT企業はM&Aでなく、新規参入としてリアルビジネスに取り組んでほしい

ITシステム会社に業態変更した電器産業も、ITバブルの崩壊を超えてなんとか生き残ったIT企業も、Web2.0などと言って新たに生まれたIT企業も、結局リアルなビジネスと組み合わせないと存続がなかなか難しい現実があります。ただそれが、自らが参入するのと買収するのとでは大きな差があります。前者は新しい市場を開拓し人材を育てますが、後者は単なる組織の組み換え、資本序列の組み換えに終わることがほとんどです。日本のIT企業はM&Aでなく、正々堂々とと新規参入する形でリアルビジネスに取り組んでほしいものです。

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