Nikkei225オプション日記

日経225オプションをこよなく愛するためのサイト

テレビ受信機にただ乗りするNHK。分割民営化・国営化の前にネット同時配信は認められない。

NHK Broadcasting Center 2016

NHK、オリンピックまでにネット同時配信を熱望

何が何でもネット配信に参入したいNHKは批判などどこ吹く風で、自らの組織的な拡大や防衛を図るべくさらなる有利な放送法の改正に猪突猛進を繰り返しています。NHKは、12月3日に開かれた総務省有識者会議「放送を巡る諸課題に関する検討会」でネット同時配信の野心を明らかにしました。

http://www.soumu.go.jp/main_content/000453861.pdf

テレビ番組のネット同時配信を可能とする放送法のさらなる改正です。権利関係の問題から番組コンテンツのネット同時配信が遅々として進まない民放各局に先駆けてまず、NHKがやってしまおうということのようです。現在でも災害情報のネット配信はNHKに認められていますが、これを拡大して全ての番組をネット配信ができるようにする野望がNHKにはあります。特に、2020年の東京オリンピックパラリンピック開催時に常時同時配信を実現してしまって、なし崩し的にネット配信していこうという戦術が見え隠れします。東京オリンピックは表向きはスポーツイベントですが、こうした大きなイベントは余程警戒しないと関係各所からうまく利用してやろう、これにかこつけて、あれも、これも突っ込んでしまえといった思惑でその姿が全く別なものと変質していくのです。こうしたお仲間の内の中に公共放送を自称するNHKがいるのですから、開いた口が塞がりません。

クロスオーナーシップとネットメディアとの関係

放送法には、多様な主体からなる表現の自由を担保する観点目的から、マスメディア集中排除原則が定められています。もう少しわかりやすく言うと、メディアを所有する主体が特定の資本や組織に独占されてしまうと、表現の自由言論の自由は形ばかりのものとなり、実質的な自由が損なわれてしまうので、より多くの自主独立のメディア主体が併存できるように政策的に誘導するというものです。

総務省 電波利用ホームページ | マスメディア集中排除原則について

ただ、このマスメディア集中排除原則を担保する法体系が、放送法に限定(民間テレビ局の都道府県をまたぐ他のテレビ局の持ち株制限)されてしまっており、実質的に機能していない問題があります(特に新聞とテレビのクロスオーナシップ問題)。

私自身は、表現の自由を実質的なものとするため、ネット言論を既存のマスメディアから独立、育てていく意味で、民放を含めた現在のテレビ局がネット同時配信をすることに反対の立場です。仮に同時配信をするというならば、最低でも電波オークションなどによる自由参加可能で適正な電波使用料を聴取し、既存放送局との競争条件が不利にならないようにすることや民放に適用されるマスメディア集中排除原則すら適用から除外されているNHKの分割あるいは民営化が不可欠であると思います。

テレビ受信機にただ乗りするNHK

特にNHKは、テレビ受信機を設置するだけで、NHKと契約締結義務が発生し、国民からまるで税金のように自動的に受信料を聴取できる圧倒的に有利な立場にあります。そしてその受信料の根拠は、あくまでも公共放送の維持にあるのです。受信料がある限りは、本来その活動は放送事業に限定されるべきです(すでに出版事業やコンテンツ事業にも参入済みですが・・・)。これでほかの事業にもどんどん拡大していったら、民間企業と競争条件の点で著しく不公正です。

NHKはネットを飲み込むほど巨大な存在

HKの年間予算は約7,000億円、総資産は1兆円を超えます。こんな組織がネットに全力で参入してきた場合、ネットメディアなどひとたまりもありません。現状でもテレビ受信機や放送機材などはNHK放送技術研究所が開発、規格を主導し、電機メーカーは下請けのような存在です。電力会社と電機メーカーのような関係が存在しています。多様な日本のネット産業が寡占化されてしまうかもしれません。