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官公庁の非効率的「イロハ順文化」と紙ファイルの整理。河野太郎吼える。

「いろはかるた」の時代で役所は止まっている

自民党行政改革推進本部の河野太郎議員が、神エクセルに続き、今度は年金事務所の紙ファイルの整理方法について改革する模様です。要は、氏名で管理されている紙のファイルBOXの整理が「あいうえお順」となっておらず、「イロハ順」になっており、ファイルを探すのに時間効率が悪いので代えた方がよいのではないかという提案です。

www.taro.org

簡単に要点をまとめます。

  • 全国の年金事務所312事務所のうち、198事務所(63.46%)がイロハ順管理
  • 河野太郎議員は、非効率ではないかと質問
  • これを受けての厚労省年金局の役人からの回答は、イロハ順は変えない。効率的になるように工夫するというもの

河野太郎議員のブログにある厚労省年金局の回答が突っ込みどころ満載なので敢えて全文掲載します。

「イロハニ順を使用している年金事務所においては、「イロハニ」に不慣れな職員が対応に困ったり、お客様を長時間お待たせしないように、各職員の机にイロハニ順を書き出した紙を要しするなどと共に、ファイルの保管について、管轄地域ごとにイロハニ順とし、さらにファイルボックスにもインデックスを貼ることで、保管場所がすぐに分かるような工夫を行っています。引き続きこれらの取り組みを徹底していく予定です。」

イロハ順を守ろうとする厚生労働省年金局への疑問

私自身は年金事務所のデータ管理実務に通じていませんので、一概にこうだとは言えませんが、それでも多くの疑問が残ります。

  1. 基礎年金番号順で管理せず、名前順で紙ファイルの管理をしているのはなぜか。
  2. 新規配属や異動などでやってきた職員が毎回対応に困るのに、何故にイロハニ順にこだわるのか。
  3. なぜ、管轄地域ごとに分ける必要があるのか。
  4. データベースを叩けば、ファイルの場所が示されるように管理していないのか。

まず、1番目ですが、せっかく基礎年金番号(ID)という年金記録の統合をしたにもかかわらず、相変わらず名前でファイリングしているのは何故なのでしょうか。年金手帳を持たないで年金事務所に来た人に対しても、<免許証など本人確認資料での端末検索→基礎年金番号の把握>というプロセスですべて終わるような気がします。数字順ならこんな問題すら起こらないでしょうに。まあ、そもそも端末をまともに利用できない職員のために紙ファイルの順番をイロハ順にしているのかもしれませんが・・・。

次に、何らかの問題によって1番目が難しかった場合でも、やはり「イロハ順」よりは「あいうえお順」でファイルを編成し直すのが合理的です。また、順番に並べ替えるのが面倒といっても、せいぜい1事務所30万件くらいのデータ(30万人×312事務所=9,300万人)なら、ちょこちょこ空き時間を利用すれば、長くても半年くらいでで終わるでしょう。

3番目の管轄地域ごとにも分けるのは、そもそも無駄でしょう。一つの観点からファイリングするのと比べて2倍手間ですし、管轄ごとに並べ替える合理的な理由はないと思います。

最後に、一般常識的に見て、こうした紙のファイルの保管場所とデータベースが連携していないはずはないのですが、万が一連携されていないとすると先に述べた3つの見解もすべて崩れてしまうので、もし紙ファイルの保管場所とデータベースの連携がないなら、何よりも先にデータベースと紙ファイルの保管場所の連携を取るべきだと思います。

厚生労働省年金局は、日本年金機構をコントロールできているのか?

こうした、改革というほどでもなく、ちょっとした改善すら厚生労働省が抵抗するのは何故でしょうか。私は、せっかく分離、独立行政法人化した日本年金機構を実は厚生労働省が未だにコントロールできない事態が続いているのではないかという疑いを持っています。やりたくても、政治的にやれないから抵抗しているのではないでしょうか。

消えた年金問題が社会問題化した際、社会保険庁の組織的な無能はさることながら、一番の問題の焦点は、厚生労働省社会保険庁を全くコントロールできず、現場が無法地帯と化していたことでした。職員の配置が採用によって完全に分離されており、現場は現場のボスがおり、君臨すれど決して統治せずがモットーの国Ⅱを中心とするローテーション職員、それに労働組合が合わさって、やりたい放題。こうした組織はもう駄目だから、政府は社会保険庁を解体し、健康保険は全国健康保険協会、年金は日本年金保険機構を新たに創設し、独立行政法人化しました。しかしながら、厚生労働省が事務委託を年金機構以外にやらせるという政治的な選択肢がないのなら、大多数の職員が旧社会保険庁職員で占められている日本年金機構をきちんとコントロールできるとは到底思われないのです。

こんな細かい問題でも、政治が介入しないと官僚組織は動かない。

ファイルの管理のやり方を効率的変えようということですら、政治家が介入しないと経済効率的な競争が働かない官僚組織はなかなか動きません。とりわけ、現場の実務と管理監督が採用によって明確に分かれているような組織のケースでは顕著です。監督者がリーダーシップをとると今までの仕事のやり方を変えたくない方々から、サボタージュを受けたり、そこまでいかなくとも、非協力的なことがほとんどだと思います。河野太郎議員のブログを受けたSNSなどでは、こんな小さな問題に政治家が突っ込むなよという意見もありましたが、官僚組織は法令に基づいてのみしか動くことができないという法的制約とその文化が脈々と受け継がれています。政治家が介入しない限り、ちょっとしたことでもなかなか前に進まないのです。河野太郎議員の動きには大賛成です。

常用漢字での資格者登録と資格者登録者のオープンデータ化を進めてほしい。

個人的な意見としてですが、今回のような行政の効率化をはかるという点で、官公庁が行っている様々な資格登録について、常用漢字での登録を認めること、そして資格者のオープンデータ化を進めてほしいと思います。金融庁がらみでいうと、証券外務員、保険募集人、貸金業務取扱主任者などについて民間会社は、その使用人を金融庁へ登録していますが、この登録の届け出におけるルールがやたら細かいのです。その中でも特に、氏名における旧字体をはじめとする漢字の問題(崎では駄目で、立つの「﨑」とか、吉の「士」の下が長いとか・・・斉藤さんの「斉」の種類とか・・・。)があり、ケースによっては官公庁サイドのデータベースに登録できない漢字は、ひらがなにするといったルールもあります。これを少しでもミスすると紙ベースの書類や電子データの再提出を余儀なくされるのです。おかげで、民間会社の担当者(担当者を置いていることが不効率そのもの)は官公庁のデータベースに入力できない漢字のカタログを作成したり、登録申請の度ごとにその漢字チェックに時間を費やすこととなっています。さらに悪いことに、官公庁における資格登録者データベースのオープン化がなされていないため、登録がきちんとされているかどうかについての事後検証すらできないという問題が発生しています。社内の登録担当者に対し、登録があやふやなので金融庁に確認を取ってくれないかと聞いたところ、担当者曰く、「そんなことは絶対にできない。そんな質問をしたらば、金融庁に当社の内部管理体制がきちんとなされていないと指摘を受けてしまう。」いやはや、一体どうなっているのかと・・・。

金融庁の役人は法律を盾にして民間会社を厳しく指導してきますが、民間会社から見ると、官公庁が常用漢字での資格者登録を認めないという制度上ミスを引き起こしやすいシステムを旧態依然として続け、経済の非効率化を引き起こしているように映るのです。しかも、国民に広く知らしめる必要のある資格者情報を公開しないことによって民間会社に対する情報の優位性を作り上げています。「依らしむべし、知らしむべからず。」を地で行っています。

河野洋平議員をはじめとして、自民党自民党行政改革推進本部の皆様には、官公庁の資格者氏名登録における常用漢字の代用を認め、登録情報についてはWEBAPIを利用したオープンデータ化を図っていただきたく存じます。そのことは安倍政権の政策目標に完全に合致します。

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