Nikkei225オプション日記

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キャリコネニュースはとっても面白いのだが。ITメディアのマネタイズは本当に難しい。

不要な多量の求人メール。されど「キャリコネニュース」は捨て難く。

IT社会が進んだとはいえ、転職希望者は、転職先の情報をインターネットからできる限り取得しようと思っても、本当に知りたい情報まで一気に辿り着くことができません。給与や退職者の声といったリアルな情報を得ようとすると、たいていの場合、転職情報サイト運営者からID登録を迫られ、個人情報を吸い上げられ、その上でやっとお目当てにたどり着くといステップを踏むことになります。この方法は、新興のIT系人材紹介業から始まったビジネス手法なのですが、近年は本業で厳しいのか、人を右から左へ紹介するだけで破格の仲介料をとれる濡れ手に粟のビジネスなのか、はたまたその両方の理由からなのか、多くの新興企業がこの手のビジネス手法を取り入れ、将来不安に駆られた迷える子羊たちが次々とこの罠にはまり込んでおります。かくいう私も、一時期、こうした転職情報サイト運営者の術中にはまり、毎日のようにニーズとマッチしない不要なメールが多量かつ一方的に届く事態となりました。あまりに多量なため、メールの整理ができなくなり、必要なメールが不要なメールの中に埋没するといった事態となりました。バカだったなあと配信停止の手続きを一つ一つ行いましたが、現在もどうしても配信を停止できないでいるサービスが一つだけあります。グローバルウェイ社という会社が運営するキャリコネサポートです。

求人サービスは「?」でも、キャリコネニュースは素晴らしいの一言

キャリコネサポートという転職サービス自体は、私個人の核心的な情報が伝わっていないのかわかりませんが、的外れな求人情報が多く、そのほとんどが一瞬でゴミ箱行きとなります。ただ、求人情報と合わせてこの会社が提供している情報媒体の「キャリコネニュース」は気に入っています。そのため、キャリコネサポートサービスの配信停止手続きを未だに取れないでいます。別にキャリコネニュースのサイトをお気に入り登録すればよいのですが、メールボックスを開けると新聞の配達のように届くニュースという形態がどうもしっくりくるのです。内容はノンジャンルではありますが、30~40代くらいのサラリーマンが共感しやすい記事、新聞にないSNSで盛り上がっている情報がコンパクトにまとめてあります。これを読むと、今どきのサラリーマンの一般的な考えや社会の空気などに触れることができます。同種の情報媒体の先駆けとして、リクルート社の提供する「R25」がありましたが、いまいち私の肌に合いませんでした。皆もそうだったのかわかりませんが、2017年4月28日時点、すでにサービスが終了しています。

『R25』サービス終了のお知らせ | R25

グローバルウェイ社の人材紹介業の付随サービスとして始まったキャリコネニュースですが、社会的な認知度は同社の人材サービス以上と言えるのかもしれません。社会的な影響力でいうと、スマートフォン保有者、一般の民間サラリーマンの中では、もう新聞や週刊誌以上になっているのではないでしょうか。政治的には無臭で、記事自体に押しの強さはなく、サラリーマンの井戸端会議のネタ提供といったところなのですが、本当に楽しい記事を提供してくれています。それでは最近の神記事をご紹介。

news.careerconnection.jp

 

いやあ、素晴らしい一次情報を拾ってくれます。なかなかこういうコメントを取ってくるのは難しいのではないでしょうか。本当に優秀な編集者、記者がいるのだと思います。ゆるいスタンスですから、相手に警戒されにくいのかもしれませんね。とにかく、キャリコネニュースの快進撃は続いています。今回紹介した記事だけではなく他の記事もこれはと思う光る記事が結構あります。給与(400万円~500万円)と記者の質は全く関係ありませんね。グローバルウエイ社が仮に傾いても、「キャリコネニュース」という媒体は必ずどこかが拾ってくれるでしょう。

それでもグローバルウェイ(3936)は、上場ゴールになってしまうのか。

それに比べると、運営会社のグローバルウェイ(3936)の業績、株価は冴えません。現在の推移は、新興企業に対する批判の代名詞「上場ゴール」といった言葉が当てはまってしまう状況です。上場時の初値は約14,000円で、2017年5月下旬の株価が約4,000円程度ですから、初値から1/3以下に値を下げています。公開価格が2,960円であり、上場時にあまりに加熱しすぎたのかもしれませんが、5月12日発表された2017年3月期の経常損益は-105百万円の損失となっています。やはり厳しいと言わざるを得ません。優れたニュースサイト「キャリコネニュース」を上手にマネタイズできていないようです。個人的には、人材紹介業は収益の効率は良いもののエージェントの個人的資質によるところが大きく、事業の急拡大は難しいように思われます。また、ミャンマーへの投資という死亡フラグが立っているのが心配です。それよりも、キャリコネニュースを月100円くらいで課金するとか、広告掲載による広告料を取るなどの方法を模索したほうが良いような気がします。年間1,200円くらいの購読料なら私は払いますよ。現在の質を維持することが前提ですが・・・。

インターネットメディアサービスのマネタイズは本当に難しい。

グローバルウェイ社の伸び悩みとキャリコネニュースの記事の質の高さを同時に眺めながら、ITメディアの事業化の難しさを改めて感じました。昨年海外から聞こえてきたTwitter社の経営悪化もそうですが、今私たちが享受しているITサービスは、永遠に続くとは保障されていないのです。社会におけるITの有用性と商業的成功は必ずしも一致しません。こうした部分をどのように埋め合わせればよいのか。税金という手段はありますが、それはあまりに無策。それ以外の道、手法をそろそろ社会全体では考えなければならない時期に入ったのかもしれません。