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小池百合子ブーム、終わりの可能性。 祭りの後に。

Yuriko Koike, Aug. 17, 2007
(出典:Wikimedia Commons)

政治ショーはひとまず終了

豊洲市場をめぐっての政治の迷走は石原慎太郎東京都知事の百条委員会での喚問を終えて、ひとまず終了しました。予想通りというか、案の定、石原さんや浜渦さんを政治ショーに引きずり出したものの、新しい情報は何も出てきませんでした。ブームが終わらないようにするための切れ目ない話題作りのひとつにはなったかと思いますが、結局のところ、時間や労力を無駄に費やしただけという事実について都民は今後ジワジワと実感するようになるでしょう。ここ一ヶ月くらいの実感ですが、メディアが盛んに百条委員会や都議選に向けての公明党の動き、自民大敗の予想などをアドバルーン的に打ち上げていますが、受け取る側から見ると無理やりの感は否めず、全体的な方向として、小池百合子ブームは終焉に向かっているように思われます。仕事を引退されて退屈しのぎにテレビを見ている高齢者層と異なり、地に足をつけて日々働いている勤労者は冷ややかな目で見ています。朝の通勤ラッシュにはふと思い出します。二階建て車両は一体どこへ行った?

消極的な選択肢として選ばれているに過ぎない小池新党(都民ファーストの会

都議選については、都議会自民への諦めから、消極的な選択肢として、都民ファーストの会に支持が傾いているというのが実態でしょうか。国政は野党民進党への諦め、嫌悪感から消極的な選択として自民党、安部政権を支持している状況と似ています。小池百合子さん、都民ファーストの会の主張からは、これまでの都政や都議会自民の批判以上の新しい政策や政治の方向性といった内容は見えません。保育所ゼロとか、レジ袋の有料化とか、受動喫煙とか、環境とか耳障りの良いフレーズだけが聞こえてきます。まあ、少し小池さんの肩を持つとするなら、東京都は首都とは言え、他の都道府県同様、市区町村と違って直接に行政サービスを提供する場所ではありません。市区町村間における行政サービスに差がつかないように人や財政面の調整するというのが都道府県の制度的役割ですから、大したことはできないのです。

東京と他の都道府県との違い

それでも、他の都道府県とは異なり企業の本社が集中しているので、権限とは不釣り合いな税金が湯水のごとく流れ込みます。一方で、法律を制定する機能はなく、政治のグランドデザインを描き、実現していく機能はありません。となると、実効性が乏しく中身のないキャッチフレーズや大言壮語の政治、そしてお金を湯水のごとく使うバラマキ政治が行われてしまいがちです。東京都市博覧会、臨海副都心ウォーターフロント、オリンピック誘致による各種競技場の建設・・・。枚挙に暇がありません。そういう背景のもとにもかかわらず、小池さんは健闘しているとも言えなくもありませんが・・・。

何かヒラリー・クリントンのような結末が待っていそうな小池百合子

もし、東京から日本を変えるというならば、地方選挙の勢いをかって、国政選挙に打って出るほかありません。大阪維新の会は、首長もそして議会も制しましたが、法律に阻まれ、やりたいことができませんでした。国政を制さないと政治意思は貫徹できないのです。そのためには、他人の批判よりも政治のビジョンが必要です。前向きな政策が必要になります。安倍政権には、少なくとも「アベノミクス」がありました。デフレが長く続いていたという偶然の産物かもしれませんが、それまでの日本を大きく転換する政治的ビジョンがあったのは否定できない事実ではないでしょうか。

それと比較すると、小池百合子さん、現在の都民ファーストの会にはビジョンがありません。旗がありません。その辺から持ってきた「まがい物」でしかありません。アメリカ大統領選挙ヒラリー・クリントンが敗北した理由も私はこういった部分にあったのではないかと思います。ドナルド・トランプには人々に訴えかけるビジョンがありました。情念というか哲学が垣間見えました。いいか悪いかは別として・・・。

ブームがいつまで続くか、私は疑問

現在の小池百合子さん、都民ファーストの会のブームは都議選の終盤まで持つかどうか不安です。いや、どちらかと言えば、このままでは持たないと思います。ヒラリー・クリントンも選挙の序盤は風が吹いていました。でも、これという政策というか哲学というか、人の心に訴えかける最後の決定的なピースが欠けていて失速してしまいました。白々しい前向きさでは、決して人は動かないのです。

最後の決定的なピースを小池百合子さんは手に入れることができるでしょうか。こればかりは、人間そのものの本質的な問題なので私にはわかりません。ただ、現時点では、そのピースはまだ手に入っていないような気がしてなりません。