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三橋貴明さんの逮捕とメディア報道について思うこと

手錠
(出典:Wikimedia Commons)

三橋貴明さん逮捕のニュースについて

昨日の15:00くらいからだったでしょうか。経済評論家の三橋貴明さんの逮捕のニュースがインターネットからぽつぽつと出始め、時の経過とともに加速度を増してこのニュースが拡散されていきました。「おはよう寺ちゃん活動中」(文化放送)を毎朝の通勤途中に聞いている私は、三橋貴明さんの逮捕に非常にびっくりしたとともに、三橋さんがラジオ番組で、財務省批判をしているのでいつ逮捕されても不思議ではないこと再三耳にしていたこともあり、多少陰謀論の可能性も頭の隅にあったせいか、普段よりも冷静にこのニュースを見ていました。

本日の午後、奥様からの被害届が取り下げられ釈放となったと言う三橋氏は、ブログを更新されました。

 皆様、お久しぶりです。というほど、お久しぶりではございませんが、お久しぶりでございます。
 1月6日から8日(本日)まで、何があったのか、ご報告申し上げます。 実は、お恥ずかしい話ですが、1月5日の夜に夫婦喧嘩、しかも激しい夫婦喧嘩をしてしまいました。
 最後に、妻がかなりきつい言葉をわたくしにぶつけ、一瞬、カッとなったわたくしは、妻の左ほほを平手打ちしてしまいました。
 いかなる事情があろうとも、妻に対する暴力が許されるはずもなく、斬鬼の念に堪えない思いでございます。心か反省すると同時に、後悔の念でいっぱいです。(中略)

弁護士から、「読売や朝日で報道されている」と聞いた時点で吃驚したのですが、自宅に戻り、検索してみると、ほとんどのメディアが報じているじゃないですか!
 わたくし共の「夫婦喧嘩」が、それほど凄い事件なのでしょうか。
 しかも、わたくしは「容疑」は認めています。何というか、出鱈目な報道ばかりで、いちいち訂正するのも面倒なので、上記の通り、事実をご報告させて頂きます。(以下略)

三橋貴明オフィシャルブログ「新世紀のビッグブラザーへ blog」Powered by Ameba

傷害容疑を認めたという三橋氏の主張と真逆のメディア報道

三橋氏のブログは、逮捕情報がリークされた疑念、こんなことがそれほど重大ニュースなのかといったメディア批判をされて結ばれていましたが、あまり心に響きませんでした。それよりも、私が興味をひかれたのは、三橋氏が傷害容疑を認めていたと主張していることでした。「えっ、本当かよ」とどきっとしました。それまで、インターネットを中心に私が見たニュースは、同署の調べに「何もしていない。何も話さない。弁護士を呼んでほしい」などと話しているというというファクトのみを伝えた産経新聞、「高輪署によると」と添えた日本経済新聞などを除く多くのメディアは、容疑を否認していると断定的に伝えていたからです。報道機関はきちんと裏を取っているのかという疑念がありました。また、仮に警察発表を信じるに足る根拠が記者たちにあったのなら、それを明らかにすることが必要な気がしました。というのも、報道されたニュースから推察するに、「10代の妻」という犯罪事実とおよそ関係のない警察情報のリークが、記者たちの逞しい想像力を掻き立て、文脈から思うに、弁護士を呼ぶための方便にすぎない言説について、警察の意図的な印象操作によって、容疑を否認しているという間違った解釈(ミスリード)を行ったのではないかと思われるからです。

妻を殴るなどしてけがをさせたとして、経済評論家の三橋貴明氏(48)が逮捕されました 。 警視庁によりますと、三橋貴明こと中村貴司容疑者は今月5日、10代の妻の腕にかみ 付くなどして全治1週間のけがをさせた疑いが持たれています。中村容疑者は去年9月と 11月にも妻に暴行したとして、警視庁高輪署から警告を受けていました。取り調べに対し て、中村容疑者は「何もしていないので、何も話さない」などと容疑を否認しています。テレビ朝日

妻の腕にかみつくなどしてけがを負わせたとして、警視庁高輪署が、作家で経済評論家の三橋貴明(本名・中村貴司)容疑者(48)(東京都港区港南)を傷害容疑で逮捕していたことが同署幹部への取材でわかった。逮捕は6日で、7日に同容疑で送検された。同署幹部によると、三橋容疑者は5日夜、自宅で10歳代の妻の腕にかみついたり、顔を平手打ちしたりするなどして軽傷を負わせた疑い。容疑を否認している。

 三橋容疑者は多数の著書があり、2010年には参院選比例選に自民党から出馬し、落選した。(YOMIURI ONLINE 2018年01月08日 08時36分)

釈放の理由は、逃亡の恐れがないことなのか、被害届を取り下げたことなのか

次に私が気になったのは、三橋氏のブログによると拘留を解かれたのは、奥様が被害届を取り下げたからと主張されています。この辺りも先ほど見た日本テレビの報道と全く異なり、一体全体、事実はどこにあるのかと言いたくなる有様です。

10代の妻にかみつくなどしケガをさせたとして逮捕された経済評論家の三橋貴明さんについて、裁判所は身柄の拘束を認めず、三橋さんは8日午後、釈放された。
この事件は、経済評論家の三橋貴明さんが10代の妻の腕にかみついたり顔を平手で殴ったりするなどして、約1週間のケガをさせたとして逮捕されていたもの。東京地検は今後も継続して三橋さんの身柄を拘束するため、裁判所に「勾留請求」を行ったが、捜査関係者によると、東京地裁「逃亡の恐れがない」などとして請求を却下したという。
裁判所が身柄の拘束を認めなかったため、三橋さんは8日午後、釈放された。三橋さんは警視庁の調べに対し容疑を否認していたということで、今後は、在宅のまま捜査が続けられる。日本テレビ 1/8(月) 18:40配信)

 「10代の妻」という印象操作

最後に、今回「10代の妻」ということがメディアで再三、クローズアップされたことについて恐ろしさを感じます。傷害容疑と少女趣味は全く別次元の問題です。40歳の妻を殴ったって、傷害容疑に変わりはありません。法律に則り、婚姻をした夫婦関係について後ろ指を指すのは、最悪でも個人の心にとどめるべきであり、ネガティブ印象が増幅されるおそれの高い「10代の妻」をことさら強調した報道機関は全体主義の様相を帯びている感じがしました。まあ、こういうものです。

<辛坊治郎>10代妻にかみついて逮捕された三橋貴明について解説 - YouTube

まあ、ひどい。警察リークそのまま。それに導かれて、悪気はないのでしょうが結果としてひどい印象操作を行っています。10代の妻を持つ人は、それだけで犯罪予備軍なのでしょうか。

最後に、メディアに自戒を求める意味で、最近目にした自民党小泉進次郎の言葉を載せておきます。

メディアってすごい権力ですよ。人を潰せますよ。誤解なく言わせてもらえば、人を殺せますよ。社会的に、政治的に。そのことを自覚していないのか、自覚をしていないふりをしているほうが都合いいからそうしているのか。どちらかはわかりませんけど、メディアって恐ろしい生き物ですよ。一度、空気が作られたら、嵐が過ぎ去るのを待つしかない。あの空気の作り方はスゴイ。怖いですよ。それに対する恐れがないと政治の世界では生きていけない。だって、できますもん、メディアが「コイツを潰そう」と思ったら。(現代ビジネス「小泉進次郎が今年から新聞を読むのをやめた理由」より)