ハフィントンポストが、またやってくれました。鳥越俊太郎独占インタビューの後編です。凄い。本当に凄いです。リベラル派の息の根を止めるのが、朝日新聞の合弁会社であるハフィントンポストであるならば、まるで内ゲバのような感じがし、非常に感慨深いものがあります。ハフィントンポストが、護憲リベラル派から生まれ変わるために必要な手段と自覚してこの記事を世に問うているのか、朝日新聞が戦前のイケイケ右派に先祖返りするための先行的な実験なのかは定かではありませんが・・・。
よもや、この記事が炎上ではなく好意的に受け止められると考えて出すほど、30代の編集長たる竹下隆一郎さんは考えてはいないと私は信じたいと思います。ただ、今回のインタビューが実現した背景には、ハフィントンポストの編集主幹に「ザ・スクープ」で鳥越俊太郎さんと一緒に仕事をしていた長野智子さんがおり、その延長線でのインタビューだと真逆の可能性もあります。そんな心配はさておき、ファンタジスタ級の記事の内容をまとめてみましょう。下にリンクも貼っておきます。
- 非核都市宣言は自分が演説に取り入れ、期待が大きいと手ごたえを感じた。
- 小池百合子は、嘘つきでポピュリスト。
- デモの動員より人数の多い警察官がデモを取り囲む風景は奇妙な現象。
- 参院選で改憲勢力に3分の2をとられた。
- 連合(日本労働組合総連合会)の自主投票はありえない。
- 今の国民ははっきり言うと、ボケている。
- 「厚化粧」はOKだが、「病み上がり」はダメ。
- アベノミクスに日本人は騙されている。
- リベラル勢力が再び復活するポイントは憲法。
- 何とかしないといけないと思っている人は、デモをせよ。国会に集まり声を上げろ。
1から10のうち、私が唯一賛同できるのは、「小池百合子は、嘘つきでポピュリスト」ということだけです。それでも私は小池百合子さんに投票しました。そんなことわかって都民は投票をしています。都民は馬鹿ではありません。
私はリベラル勢力が復活するポイントは、憲法9条を捨てることだと思います。安全保障についてはある程度現実的に対応し、それ以外の部分でリベラル的な政策を打ち出していくことが必要です。具体的には、非正規労働問題や住宅問題という貧困・格差への対応、反原発、緊縮ではない緩和的な金融・経済政策、グローバル企業への規制、課税強化といったことに取り組んでほしいと思います。
「戦後社会は落ちるところまで落ちた」という記事の表題は、鳥越俊太郎の現実認識の乏しさからくる妄想です。非核都市宣言などマニアにしかウケていませんし、デモが暴徒化することを想定し、一般市民を守るため多くの警官を投入することは当然のことです。衆・参院で改憲勢力は3分の2もいません(公明党は護憲勢力です)。連合は、共産党の影響力増大の恐れや選挙後のポジション取りを考えて自主投票しました。呆けているのは国民ではなく、鳥越さんのほうです。厚化粧も病み上がりもどちらも悪口の類、アベノミクスは民進党の経済政策に比べて成果をあげていますし、リベラル勢力が復活するのは憲法を守ることでなく、憲法を捨てて安全保障について現実的な政策をとりつつ、他のリベラル的政策に力を入れることです。デモは否定しませんが、民主主義国家では選挙、つまり具体的な有権者の投票によって政治を動かしていきます。今回の都知事選挙のようにです。
鳥越さんは、話せば話すほど自己の浅はかさをさらし、戦後の護憲を中心とするリベラル勢力の地位を低下させていく意味で、新自由主義のファンタジスタと言えます。
ほうら、後ろから(民進党)また矢が飛んできていますよ。