Nikkei225オプション日記

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人口知能(AI)ブーム。AIで仕事がなくなるわけがない。SFの読み過ぎです。

最近、どこに行っても、人工知能(AI)の話題に事欠きません。新聞でも、雑誌でも、WEBメディアでも、世間話でも、居酒屋で飲んでるおっさんからも人口知能(AI)について、うんたらかんたら話をしています。特に、人間の仕事がAIに取って代わられるということについて嫌な感じを抱いたり、過度な心配をいだいたりしている人もいます。

もはや、暴論、珍論、新興宗教じみたAI論でこのままいくと日本は滅びてしまうのではないかと私は本気で心配しています。

数学者や科学者や哲学者、そこそこのプログラマは、思惑を持ったポジショントークをやめ、そろそろ良識ある国民としてのきちんとした意見を言ってほしいと思います。政治屋や株屋は経済成長のネタ探しを一生涯かけてやっている有様ですから、期待はできないんです。

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巷の人工知能(AI)はほとんど与太話。統計的推論と論理的推論の断層

はっきり言いますね。世に流布しているほとんどのAIについての言説は、茶番であり、大嘘であり、与太であり、ほとんど病気の域に達しています。別に数学や科学教育を受けていなくても、普通の生活を送っている人は何となく判断がつはきそうなものですが。

その理由を端的に言えば、統計的(確率的な)推論と論理的推論には容易に超えることができない大きな断層があるということです。AIが有機物ならまだしも無機物の段階では、いくら頑張っても統計的(確率的な)な推論を積み上げていく知能に留まります。「1+1 =2」の解き方として、答えを2とした人が90%以上いたから、2である確率が高いというところまでは判断できますが、1という数学的な概念を理解し、1つリンゴともう1つのリンゴをリンゴ同士ででまとめる認識の仕方を理解し、それを2としたら・・・・・と演繹的に広がっていく数学世界(論理世界)を想像したり、生み出していくことは決してできないのです。三段論法のような推論を理解できないのです。勿論、プログラムをインプットすればプログラムに沿うように無機物は動きますが、プログラムがプログラムを超えて何か新しい別の物ものを生み出すことはありません。Loop文で繰り返すことができるのは、Loopの中に定義されたものだけです。無機物の限界といってもいいかもしれません。確率的推論が核心の仕事は多少の影響はありそうだが・・・

勿論、確率的推論こそがその仕事の本質である職業は人工知能的なものに取って代わられるかもしれません。診断医師とか裁判官とか会計士とかそんなあたりですかね。一つの人工的に作られた変化に乏しい論理体系があり、そこに事実たるパラメータを代入して答えを出すような仕事はなくなるでしょう。ただし、これはAIの話というより、単にコンピュータープログラムと業務プロセスの抽象化の話しで、法律プログラマや医療プログラマという新しい仕事が生まれることも考えられます。

介護は「人間が」介護するとう点がニーズの本質

最近、ネットで話題が沸騰しているのは、介護の仕事が介護ロボットに置き換えられるという議論がです。

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介護分野の物理的な力仕事がロボットに置き換えられるという点については賛成です。しかしながら、現場での介護ニーズとして最も大きなものは、人間が介護してくれるという点にあるので、私は介護職が「現在の」人工知能やロボットに置き換えられることはないと思います。ロボットに「現在の」人工知能(AI)を積んだところでは、認識とか心といった部分で、確率論的学習アプローチしかできない無機物には限界があると思います。労働供給の蛇口を閉めれば、介護職の給与は上がるでしょう。

有機物の人工知能が出てきた時に大いに議論すべき

さて、私たちが現在、大いに期待する一方、不安を感じている人口知能(AI)はどのような人工知能なのでしょうか。それは、「有機物としての」人工知能であると私は思います。機械が人間を追い抜くというシンギュラリティ(技術的特異点)の議論は有機物の人工知能に到達して初めて意味を持つのです。そこに到達しない限りは、無機物と有機物の棲み分けでしかありません。犬や猫並みでも、有機物としての人工知能が登場して初めて、AIと人間の比較競争が考えられるようになり、シンギュラリティがああだこうだという議論が成立するようになります。その時になって初めて人間の認知を超える機械を人工知能が作り始めるといった地平が見えてくるのです。

日本のインテリ層のSF好きには目に余る

最後に、 日本において人工知能(AI)の期待や想像力があまりに広がった大きな原因として、インテリの無類のSF好きがあると思います。なんかやたらSFを持ち上げる人って多いんですよ。まあ、攻殻機動隊は面白いですよ。手塚治虫までならまあ許します。でも、星新一がどうとか、フィリップ・K・ディックがどうとか、リラダンがどうとか言い始めるとなんかもう、っていう感じに私はなります。鼻持ちならないというより、なんか十中八九、別の世界の中で酔ってるんですよ。

武田邦彦先生あたりが、国民に分かりやすく説明して、世の中の目を覚ましてほしいものです。

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